「YOUR/MY Love letter」感想               ~みんなモブで、みんな主役~

アルストロメリア

――教えて下さい
――――あなたの、名前を

お前は、世界にたったひとりの
――大切な存在なんだ

遠いあなたのところまで
花のひとひらが、届きますように

――すべての名もなき人たちへ――

※今回の記事は過去にNOTEで作成した物です。

オープニング『I am.』

オープニングは、まるで映画のような入り口に、アルストロメリアとはまったく関係のない、
名もなき人の描写から始まります。
アルストロメリアの出番は、この人物が観ているテレビ番組の一部としてのみ。そして最後は、

ドキュメンタリー番組のような、謎のカットが入ります。
オープニングの時点で、今回は今までのイベントコミュとは、
主軸が違うということを思い知らされます。

第1話『song for Someone』

開幕から当たり前のように、名もなき人の描写から。
オープニングと同じように、アルストロメリアは一切出てこず、
コンビニバイトの風景と店員さんの心の声が粛々と描写されます。


アルストロメリアの出番は、店内BGMとしてのみ。
ダブル・イフェクトが流れますが、曲としての意味はなく、
ただのコンビニの店内BGMとしての役割なので、どことなく味気なさを感じます。

そして場面が変わり、今度は高校生の描写が始まります。
この娘も当然、アイドルとかではない、普通の高校生の女の子です。

この娘が所属していた演劇部を辞めているているということ、甘奈推しということがわかります。
アルストロメリア当人達とはまったく関係のない、意味のない情報が、
何故か丁寧に、淡白に、描写されていきます。

そして更に場面が変わり、今度はプロデューサ業の男性が描写されます。
また関係ない人かと思ったそこの貴方様、ご安心下さい。
このプロデューサーは、我らのシャニPでございます。
電車の遅延により、打ち合わせに遅れそうなところから始まり、

ドキュメンタリー番組にオファーされるという、笑激もとい、衝撃的な場面で終わります。

第2話『voice for Someone』

始まりはまたピアスの女性から。どうやら体調を崩してしまったようですが、
ようやくやりたい仕事を任せてもらえるようになったこともあり、休むことができないようです。

シャニマスは暗喩を丁寧に仕込む

場面が変わって、今度は高校生の先生の日常が描写されます。この先生は、
自分が教師らしくないとモンペもとい、保護者に言われたことを気にしているようです。

更に休日も生徒に出会ってしまい、あらぬ噂を吹聴されたことで、
休日でも教師なのだと、考えるようになってしまいます。

ただのアイドルじゃなくて世界一可愛いをつけろよデコ助野郎

場面が更に変わり、ついに、やっと、アイドルが描写されます。
アルストロメリアのトップバッターは、俺の担当にして、
顔も頭も性格もイイ女こと、甜花でございます。

17才でこの読み間違えはちょっと心配しちゃう。

ラジオの仕事風景が、淡々と描写されていきます。
「つらい」と「からい」を間違えて読んでしまっていますが、
誰も突っ込まないところが、甜花らしいです。

「教師は辛いよさん」は先程描写された、高校教師ということがわかります。
先生らしくないと悩んでいるお便りに対し、「先生らしくない方が好き」という、
最高の言葉を贈ります。これを無意識でやるあたり、天然のタラシ素質がありますね。
甘奈が狂うのも、甜花のことが大好きなのも、このあたりの、
無自覚魔性の女ムーブから来ているのかも知れませんね。

第3話『color for Someone』

今度はコンビニ店員さんからスタート。
アルストロメリアの曲は好きだけど、歌っている人達には興味がないとのこと。
テメーは俺を怒らせた

どうやら、忙しくも代わり映えしない日々に、漠然とした疑問を抱えているようです。

シャニマスは心理描写を暗喩するのがお好き。

そしてそんなコンビニ店員さんの心模様を写すが如く、雨が降ってきます。

場面が変わって、今度はシャニPの描写へ。
社交辞令だと思ってた、ドキュメンタリー番組のオファーが本当に来て、頭を抱えている様子。

もう既に輝きすぎてますがな

もしプロデューサーじゃなかったら、どんな自分になっていたのか。
色々な思考を巡らせ、フェードアウト。

場面が更に変わり、今度は甘奈推しの女子高生へ。
アルストロメリアのように、自分だけの光を見つけ、輝きたいという願望があるようです。

場面は巡り巡って、ピアスの女性に。
結局体調不良で休んでしまったらしく、その間に自分が注力していた仕事は、
別の人が終わらせてしまったようです。

代わりが居る方が気軽に休めていいじゃん

恐らく体調不良で精神的にも不安定なのか、メンタルが病んでしまいます。
自分が居なくても、仕事がいつも通りまわっていることが辛かったのでしょう。

第4話『off stage』

始まりは59歳の会社員から。
ここに来て更に登場人物が増えたことに、驚いた人は自分だけではないはず。
アイドルのCDを買うことが、かなり気恥ずかしいようです。
CDを物色しつつ、59歳にしては若干痛々しい一人相撲を行っています。

この人がおむすび恐竜だと思った人、正直に手を挙げなさい。

どうやら、自分の娘さんと千雪が同じくらいの年齢のようです。
先にネタバレしておくと、この人はおむすび恐竜とは違う人物です。
千雪のファンは濃いのがデフォルトなのかもしれません。
恋してるだけに

場面は変わって、やっとことさ、2人目のアイドル描写へ。
セカンドバッターは、エイプリルフールイベで、数々の鬼畜の所業を行い、
大量の小学5年生を生み出した、千雪でございます。

どうやら一緒に仕事をしたことがある人に気づかず、初対面と思ってしまったようです。
アシスタントさんの方は、気にしなくて言いと、大人の対応をしてくれましたが、
千雪本人は、言葉に出さずとも、かなり反省している様子。

場面は更に変わり、コンビニ店員さんに。
どうやら、無愛想なクソにモヤっとしている様子。
そして、他人なんて全部モブという、大学生とは思えない程に、鋭い言葉を我々に投げてきます。

場面は巡り、ついに最後のアルストロメリアメンバーにして、
開幕メンタル10割の女こと、甘奈の描写へ。

何やら思い詰めた様子で、自主練をしているようです。
またしても、曇ってしまうのかハラハラしますが、今回は奮起して乗り切れそうです。

場面は再び甜花へと移ります。
辛いを読み間違えても、魑魅魍魎はしっかりと読めるのが、流石。
LP編で頑張れという言葉の意味を真に理解した甜花は、みんな頑張れと、エールを贈ります。

場面は更に巡り巡って、男性会社員(おむすび恐竜ではない)へと移ります。
結局、CDを買うのを諦めたらしく、娘さんへ、オンラインでの買い方を聞いているようです。
既読が付かないことに、心配している様子。

第5話『good night』

始まりは再びピアスの女性から。
気分を紛らわす為に、テレビを付けますが、結果として、更に傷を深くしてしまうことに……。

代わりが居ない業務を担当するのは辛いぞ

代わりが居る自分と、代わりが居ないアイドルを比較してしまい、
更にメンタルが削られてしまったようです。

場面は変わり、男性会社員へ。
既読がつかないまま、10日が経ち、娘がもう大人だとわかっていても、心配なようです。
既読がやっとつきましたが、どうやら娘さんは仕事が忙しく、
帰省できなくなってしまったと連絡がきます。

場面は更に変わり、高校教師へ。
アルストロメリアが参加するフェスに行こうと考えますが、
この前の休日のことがフラッシュバックします。
今はちゃんとした先生になる為に、行くのを辞めるという決断をしてしまいます。

場面は巡り、アイドル達へ。
甘奈と甜花はそれぞれの葛藤を胸に秘め、千雪は忙しい日々を送っているようです。

場面が更に変わり、ここに来てまさかの、新しい登場人物が!!
名前がunknownとなっており、意図的に誰なのかが伏せられているという、
まるでエイプリルフールでやったサスペンス物みたいな雰囲気です。

場面は短時間で巡るに巡ります。巡り過ぎてめぐるになったわ
ピアスの女性に戻り、彼女の精神が限界を迎えていることがわかります。

そして場面は、再びミスター(ミス)unknownへと戻ります。
どうやら、疲れて動けないのに、眠ることもできないという、危険な状態のようです。
接客業やってた時の俺かな?

暗雲立ち込める雰囲気の中、まるで一筋の光のように、
アルストロメリアのラジオが流れてきて、フェードアウト。
この時点で、とっくにお気づきの方が多いと思いますが、
今回のイベントコミュの主役はアルストロメリアではありません。

第6話『present』

始まりは甜花から。アルストロメリアの3人でラジオのお仕事をしています。

3人揃ってのラジオで、みんな嬉しそうで微笑ましい空気の中、ラジオが淡々と続いていきます。

名無しさんこと、娘を心配する、男性会社員からのお便りを千雪が読み上げます。
おむすび恐竜とは違い、手紙では千雪さんにしている辺り、常識人であることを感じさせます。
また、手紙を出すにも、相当な勇気が必要だったことが容易に想像できます。
それにも関わらず、内容は娘さんを心配だけども見守るということだけで、
父親としての、愛情が強く感じられます。

大崎甜花は誰が見ても、立派なアイドルと言える程に成長したのです。

ここで想いの力は弱いと、ハッキリ言えるのが甜花の強さであり、最大の魅力だと思ってます。
だからこそ、何回も伝えてあげてほしいと、届くまで諦めないでと、エールを贈ります。
甜花は自分の経験を元に、難しい問題に対しても、
自分なりの答えを、見いだせるまでに成長していることが、この描写からわかります。

曲を流す前に、千雪が自身の葛藤を話します。

千雪からの最後の一言の前に、場面が変わります。

自分はこの時点で半泣きになりました。

ピアスの女性と、男性会社員のメッセージのやり取りへ。
ここでは会社員ではなく、「」となっているのが、流石シャニマス。

親の心、子知らずとはまさにこのこと。と、言わんばかりに、
娘さんはかなりヤサグレてしまっています。WING編の冬優子かな?

まるで娘さんを心配するお父さんを応援するように、千雪の声が流れてきます。

そんな千雪の言葉が響いたのか、お父さんは、娘さんに自分の気持ちを伝えます。

まさしく、暗闇に広がる温かな光のように、アルストロメリアの言葉が響き渡ります。

名もなき人にしか過ぎなかったピアスの女性の名前が明かされ、Anniversary が流れます。
今この瞬間、名もなき人は、モブキャラは、「みゆ」という1人のキャラクターになったのです。

よろみじゃないよ、ひろみだよ。

名もなき男性会社員は、「陽呂美」という名前を与えられ、
同じくモブから、1人のキャラクターへと変わります。
初見でよろみと読んだのは俺だけではないハズ

unknownにも、アルストロメリアの言葉が届きますが、名前は明かされず、
未だ闇の中に居るように思われます。
彼が(彼女)が救われるのは、まだ先のようです。
先にカミサマを救ってくれ。

名もなき女子校生は、「彼方」というキャラクターへ生まれ変わりました。

名もなき高校教師は「萌夢」として、教師ではない自分を取り戻します。

アルストロメリアの祈りが響き渡り、そして……

シャニマスよ、何回泣かせるつもりなんだ

場面はプロデューサーへと移り、新曲である「虹の行方」が流れます!!

プロデューサーは自分がアイドル達の影であることを認めてはいますが、
だからといって、自分が日陰にいるとは思ってないと、結論を出します。

この結論に至るのは、当然でしょう。
何故ならば、アルストロメリアが立派なアイドルとして、咲き誇っているのは、
紛れもなく、プロデューサーの功績なのですから。

場面は巡り、コンビニ店員さんへ。
名もなきコンビニ店員は「銀之介」という大学生へと変わります。

全員ではなくとも、確かに、アルストロメリアの言葉が届き、その言葉が光となり、
救われた人達が居る。今回の主役は、名もなき人達であり、
第三者から見たアルストロメリアというのがテーマだったのだと思います。

エンディング『You are.』

始まりは、ラジオディレクターとプロデューサーの会話から。
シャニPの営業力が垣間見える貴重なシーンです。

場面は変わり、フェス会場へ。
ここでは、「萌夢」と「彼方」がまさかの鉢合わせに。

タジタジになる「萌夢」とは対照的に、「彼方」が高校生と思えない程の、大人の対応をします。
普段はきっと優等生なのでしょう。

アルストロメリアの光を受けて、モブキャラは、1人のキャラクターとして、輝きを放つ。
本当はモブなんて1人も居なくて、みんな主役になれるということを表現していると感じました。

場面は変わり、シャニPの総括へ。
事実として、彼女達の声は、想いは、沢山に人達に届き、彼(彼女)達を、光で照らしています。

場面は変わり、「銀之介」へ。
コンビニ内で、甘奈と遭遇しますが、本人はまったく気づいていない様子。
ここでの注目ポイントは、「銀之介」視点だと、甘奈ではなく、「高校生くらいの子」という、
モブキャラとして扱われているというところですね。

冒頭と同じ、メッセージと、時間を知らせるアルストロメリアの声を背景に、
名もなき人の部屋が映り、エンドと思いきや……

最後にunknownへと場面が変わります。
ここで注目すべきは、携帯の音が2回鳴ったことと、暗闇の中に光が差し込んできた描写です。
どことなくカミサマっぽいですが、それはミスリードだと予想します。

まとめ

今回のイベントの主役は、アルストロメリアではなく、普段はただの舞台装置でしかない、
名もなき人達でした。
誰が、主役で、誰がモブなのか。
それを決めるのは自分自身であり、誰かに強制されるものではない。
みんながモブであり、主役でもあるのだと、そんなメッセージが込められていると感じました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
拙い文章でお恥ずかしい限りですが、何かしらの反響を頂けると嬉しいです。

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